ドリルの重要性

学生の競技者に多いのが競歩においてドリルの重要性を蔑ろにしている競技者が多いという事。

10000mを45~41分台くらいで歩ける選手でもドリルの動きが全くできず、フォームに安定性のない選手は多くいます。(さすがに40分台になると安定している選手が多い)

そういう選手は基本的にスピードを追い求める傾向が強く、20kmのレース等になると途端に崩れだす選手も多いです。

競歩という競技は頑張ればある程度は早く歩けてしまう可能性を持った競技なので、フォームが安定していないのにスピードが出せてしまう選手というのは「走り」の動きが歩きの中に加わっています。そのため、違反も取られやすく、長い距離では無理が効かないという事になるのでしょう。

本来、競歩のドリルはスピードを身に着ける前に極めるべき動きであり、筆者が現役時代の時には毎日2時間ひたすらドリルしかやらない時期もありました。

誤魔化しでスピード練習ができるようになってから毎日ドリルに何時間も時間を掛けるというのは、プロの野球選手が素振りのみの練習をもう一度一からやり直すような感覚で、モチベーション的にも、練習の強度的にも不安が多くなり、なかなか途中から路線変更が効かなくなってしまいます。

長距離種目では距離積んでなんぼ、ペース走やスピードを上げたトレーニングが重視されますが、競歩でそれと同じようにメニューを組み立てていたのでは、最終的に良い記録は出ません。

ゆっくり歩けない選手は速くも歩けないという事は一流の競歩選手であればみな口を揃えて言います。

今はストロールのような練習しかできないジュニアアスリートや、失格が多く記録が出ないような選手は練習を途切れさせてでもドリルに目を向けて欲しいと思います。